訪問看護のオンコールが負担と言われる原因や手当、相場等について解説!

訪問看護のオンコールアイキャッチ

訪問看護ステーションでの勤務や、訪問看護事業に携わっているとオンコールという言葉をよく耳にします。
ここではそのオンコールについて、内容や負担が大きいと言われている主な原因や、手当の相場等、オンコールについて詳しくまとめてみました。

オンコールとは?

訪問看護のオンコールとは利用者様の症状悪化や急変などに備え、急な呼び出しや連絡にリアルタイムで対応できるように24時間体制を取っています。オンコールは、こういった緊急の呼び出しや訪問に備えて待機することを言います。
1人体制だと負担が大きい事や、何かしらの理由で対応が出来なかった場合のリスクがある為、大抵の事業所やステーションはファーストコールセカンドコールというような、2人体制のオンコール体制を整えています。

オンコールの待機場所は?

オンコールの待機場所は法的に特に指定はありませんが、大半の事業所やステーションは自宅で待機する形をとっている事業所やステーションが多いと思います。
その理由はおそらくですが、冒頭でも少し述べましたがオンコールは、手当の割に負担が大きい為、あくまで休日(休み)扱いとしたい事業所やステーションの気持ちの表れでしょうか。
あとは、オンコールについて労働時間と認められた判例が過去にあり、その時に拘束性が争点となっていますので拘束性を緩和するという意味でも自宅で待機する形を取るステーションが多いのかなと思います。

オンコール対応

オンコールの対応は、担当の訪問看護師が専用の携帯電話を持ち、利用者さんやご家族からかかってきた電話に応じるという形が一般的になります。
セカンドコール(2人体制の場合)は、ファーストで繋がらない時にセカンドに転送され、2人目の担当(セカンドコール)が対応する形となります。

オンコールが負担と言われる理由について

病院の夜勤とは違う

オンコール(体制)は、よく夜勤と混同されがちですが全く別のものです。
以下、オンコールと夜勤それぞれの特徴をリストアップしてみました。

夜勤
① 夜間に通常の業務を行う
② 労働時間であり、法定労働時間(週40時間)に含まれる
③ 基本賃金+割増(夜間)賃金が支給される

オンコール
① 指定の場所(自宅、事務所)で緊急時に備えて待機
② 法定労働時間(週40時間)には含まれない
③ 手当の相場は事業所や施設により異なるが、1,000~4,000+出動手当が多い

ざっくりですが、夜勤は勤務扱いでオンコールは勤務扱いではないという事になります。
オンコールは法律上の定めが特にないので労働時間とはみなされないのです。
ただ過去の判例で、オンコールでも拘束性が強いと判断され、労働時間とみなされたケースもあります。

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日常生活が制限されてしまう

オンコールは、いつでも連絡が取れる状態で、いつ出動要請があってもすぐ出動できるような体制でなければなりません。
大げさに聞こえるかもしれませんが、極端な事を言えばそのような体制なのです。
以下、実際オンコールを体験した方の話を元に、日常生活の制限に関連する事柄を箇条書きに挙げてみましょう。


オンコール体制が制限する
日常生活

・緊急時の対応となる為、事務所や病院、施設等の近くに位置しなければならない

・飲酒を控える

・就寝時枕元に携帯を置く

・入浴中は、携帯を音の聞こえる所に置く

オンコールは、電話が鳴れば対応し、場合によっては出動するだけと一見自由に見えますが、実際は見えない部分での制限が多々課されます。

オンコールの内容がピンキリ

病状が悪化して緊急を要してる場合や、明日の訪問スケジュールの再調整といった緊急時でなくとも問題ないような電話まで様々です。
かける方は、利用者ご本人か、家族が大半になります。
本来、オンコールは緊急を要す場合に使用されるものなのですが、、、、。
オンコールって、いわゆるかけ放題なのです。
※加算という形で費用は発生しているが、電話1回あたりに金額は加算されません。
なので人によっては、緊急でもない、些細な事でもガンガン電話が鳴ったりします。
酷いと、毎晩人生相談のような電話対応に悩まされている看護師の方もいらっしゃいました。かける側にとっては、人と話す事で寂しさを紛らわせるし、無料だからお得感満載なので、それは毎晩かけてしまうのも解らなくもないです。

ひらめく看護師

(まとめ)オンコールが負担と言われる原因はどこにあるのか

さて、最後になりますがオンコールを持つ担当者から、オンコールは持ちたくない等の声や負担の大きさ等色々オンコールについて抵抗があるかと思いますが、私なりに思うオンコールの負担の原因や問題をまとめて書いていきます。
やはり労働基準法に定められていない(労働時間扱いにはならない)という部分であったり、利用者やご本人側はオンコールの電話をかけ放題という部分、いわゆるルール作りがされていないのが一番の原因だと思います。
訪問看護事業所によっては、オンコール体制の担当者の労働対価を上げて、体制をしっかり整えている事業所もあります。
法で定められていないのであれば、逆にオンコール担当者と、利用者様やご家族様がwinwinになるようなオンコールのルール作りをするのが、現時点では負担を軽減する解決の糸口なのかなと思います。