訪問看護ステーション職員への慰労金や新型コロナウイルス感染症対策支援事業等の申請方法と手順

看護職員への慰労金及び訪問看護事業所への支援事業について

現在猛威を振るっている新型コロナに関して、病院や医療機関関係等に厚生労働省より支援事業が始まっていますが、ここでは訪問看護ステーション職員への慰労金や事業所へのコロナウィルス感染症対策支援事業の申請方法等を、具体的に詳しく解説していきます。

新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金交付事業

新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金交付事業とは、新型コロナウイルス感染症に対する医療提供に関し、都道府県から役割を設定された医療機関等に勤務し患者と接する医療従事者や職員に対し、慰労金として最大20万円を給付する(その他病院、診療所等に勤務し患者と接する医療従事者や職員に対し、慰労金として5万円を給付する。)事業になります。 厚生労働省から心からの感謝の気持ちとともに慰労金を給付する事業との事です。 訪問看護ステーションの職員へ慰労金の、申請から交付されるまでにあたり、申請は個人ではなく事業所が行う等申請方法が若干わかりにくいので以下順を追って説明していきます。

訪問看護ステーションの職員への慰労金の申請は誰が行うの?

慰労金の申請は各個人や各職員で行うのではなく、お勤め先の事業所、あるいは事業者が代理で申請する形となります。 申請自体は個々には行いませんが、事業所が代理で申請を行いますので、事業所に対しての委任状(私の代わりに申請してください)の提出が必要となります。 この委任状は、事業所が申請手続きを行う際に、事業所から記入や提出を求められます。 委任状は、職員への慰労金の給付や、職員への慰労金を事業所の懐に入れないようする役目を持っていますので、お勤め先の事業所から委任状の記入、提出を求められましたら速やかに提出しましょう。 以下、慰労金が給付されるまでのおおまかな流れのイメージになります。

慰労金給付までの流れ
図:慰労金給付までの流れ

訪問看護ステーションの職員への慰労金の給付条件は?

訪問看護ステーションの職員への慰労金給付条件ですが、厚生労働省より、
  • 令和2年2月1日~6月30日までの間に、患者と接する業務に通算して10日以上勤務した者(資格者や職種は問わない)
とあります。 当該期間中に転職された方への慰労金の扱いですが、厚生労働省パンフレットの注釈に「複数の事業所で勤務した場合は、合算して計算します」とも明記がありますので、当該期間中に転職された方等も、両事業所で10日以上の勤務実績があれば給付対象になりますね。ただ、二重取り等ならないよう申請者(事業者)間で、どちらの事業所が申請するか調整が必要になるかと思います。

訪問看護ステーションの職員への慰労金はいくら?

新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金交付事業の概要マニュアルを参照すると、「実際に新型コロナウイルス感染症の入院患者を受け入れている場合は20万円、新型コロナウイルス感染症の入院患者を受け入れていない場合は10万円、その他病院、診療所、訪問看護ステーション、助産所に勤務し患者と接する医療従事者は5万円の慰労金が給付される」との事で、訪問看護ステーションの各職員へは5万円の慰労金が給付されます。
以下、厚生労働省にあるパンフレットを参照ください。
慰労金給付のご案内
慰労金給付のご案内

慰労金はいつもらえるの?

慰労金の給付日ですが、これは事業所毎によって申請日や給付日が違ってくると思います。厚生労働省は、
  • 7月末までに申請した場合は8月中
  • 8月末までに申請した場合は9月中

と、翌月に給付が完了する事を明記しています。 この慰労金給付事業への申請は、上記でも伝えていますが事業所が代理で行うものですので、優先順位を後回しにする事業所や事業者もあるかと思います。
事業所が申請をしてから給付まで遅かったり、不明だった場合は、一度事業所に対して状況確認をしたほうがよいですね。
以下、慰労金に関するマニュアルのリンクを貼っておきます。
www.mhlw.go.jp
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000655164.pdf
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000655164.pdf

新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業

新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業とは、ざっくりいいますと、各事業所が感染者と接触リスクを伴うサービスであるという特徴を踏まえて、最大限の感染症対策を継続的に行いつつ、必要なサービスを提供する体制を構築する必要がある事から支援がされる事となりました。
事業の名称は各都道府県により異なっており、
千葉県 → 新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業(介護分)について
埼玉県 → 医療機関・薬局等における感染拡大防止等支援事業について というように一律の名称ではありません。
また、支援の金額や申請方法等若干ですが各都道府県によって変わってきますので、各都道府県のHPを確認するか、各都道府県の県庁へお問い合わせください。
以下、例として埼玉県の本支援事業を詳しく解説していきます。

支援事業の対象となる支援額の上限は?

埼玉県では、最大支援額は70万円となっています。
ただし、本経費は新型コロナウィルス感染症に対応した感染拡大防止対策や診療体制確保等に要する費用(人件費や労務費は除く)とありますので、従業員の人件費や労務費は対象外の扱いになります。
前述でも述べましたが、本支援事業は各都道府県毎で異なりますので、支援額が大きい県もあれば少ない県もあるかと思うので、埼玉県以外の事業所の支援額の上限は各都道府県のHPやお問い合わせ窓口にてご確認ください。

経費はどんなものが対象になる?

国から示されている、補助対象となる感染拡大防止対策の例は以下のものがあります。
  • 共有して使用する物品や共通して触れる部分についての消毒や清掃などの環境整備にかかる費用
  • 在宅医療における感染予防対策・患者の症状を観察する際の留意点等が記載されたパンフレットの作成・配布を行い、患者や同居する家族などに説明し理解や協力を求める行為にかかる費用
  • 医療従事者の感染拡大防止対策(研修、健康管理等)を行うための費用
  • 医療機関、ケアマネージャー等と電話など情報通信機器を用い、患者の症状の報告や把握、共有などのより密接な連携体制を確保する為の費用
  • 感染防止のための個人防護具等を確保する為の費用

補助対象となる費用や経費の期限は?

補助対象となる費用や経費の期限は、これも各都道府県によって異なりますが、埼玉県では令和2年4月1日~令和3年3月31日までに支出される費用が対象です。 実際に補助対象となるか、そうでないかのお問い合わせ先は、以下の厚生労働省医政局のコールセンターでお聞きください。

厚生労働省医政局 新型コロナ緊急包括支援交付金コールセンター
・電話番号:03-3595-3317
・受付時間:9:30~18:00(土日祝除く)

いつまでに申請すればいい?申請の期限は?

支援事業への申請の期限ですが、埼玉県では2通りあります。
概算払いの場合(必要な経費を事前に申請する場合)・・・令和2年12月28日(月)まで
清算払いの場合(必要な経費を支出した後に申請する場合)・・・令和3年1月29日(金)まで

訪問看護ステーションへの慰労金及び感染症緊急包括支援事業のまとめ

いかがでしたでしょうか。 要約すると、訪問看護ステーション職員へ1種、事業所単体で1種の支援や慰労金が補助されます。
新型コロナに関する支援事業との事で、スピード感が求められたためか、定められたルールや定義がいまいち曖昧な部分もありますが、こればっかりは仕方ないでしょうね。
ルールや定義を決める部分に工数や費用をかけるより、支援のスピードや内容に注力した方が、医療従事者や医療機関に勤めている職員さんもきっと助かると思います。