まず最初にですが、訪問看護という職種を知らない方たちは以下のリンクの記事をご覧ください。
目次
訪問看護師が病棟看護師と比べて仕事や負担が大きいと言われる原因
冒頭でも述べましたが、看護師と比べて訪問看護師の仕事は大変だとか負担が大きいとか聞きますが、なぜそのような声が上がるのか原因をざっとピックアップしました。
訪問看護師は基本的に1人で患者宅へ向かい、1人で処置を行う
まずは病棟の看護師ですが、基本的にはチームで患者に対応しますので患者の容体が急変したり、また、高いスキルを要するようなケースに遭遇しても身近に仲間や上司がいる状態なので、比較的プレッシャーなど重荷にならず対応できるかと思います。
そして訪問看護師の話になりますが、基本的に1人で行動します。患者の処置等も基本的には1人です。患者の容体が悪化して、すぐにでも相談しようにも、身近に上司や仲間がいない状態です。その為、病棟看護師と比べると責任やプレッシャーが看護師に重くのしかかり、負担になると言われるのではないでしょうか。
また、1人で患者と向き合わなければならない事から、訪問看護師は病棟看護師に比べ、要するスキルが圧倒的に多いです。以下、訪問看護師に求められるスキルをざっと挙げてみました。
- 患者の状況や症状にまつわる判断スキル
- 患者やご家族や親族の方とのコミュニケーションスキル
- 関連事業所(病院や施設、ケアマネ等)とのマネジメントスキル
メインの看護スキル以外にも、上記のようなスキルが求められる場面が多々あります。
体力や精神的な負担が大きい
訪問看護師はその名の通り、患者宅へ訪問し看護を行わなければなりません。移動手段に車や自転車、あるいは交通機関を使う為、心身ともに負担がかかります。患者宅へ向かう途中に事故に遭うリスクも常にあります。道の状況により指定時間に遅れてしまう心配もあります。看護(業務)を行う為に、3分かけて病室に行くか、30分離れた患者宅へ車で行くか、どちらが負担が軽いかと言われたら大半の方が前者の方が負担が軽いと言うでしょう。そうなんです。業務を行う前準備から訪問看護師は大変なのです。
訪問看護ステーションの夜間の体制はオンコール体制
訪問看護ステーションの大半が、利用者さんの呼び出しや急変などに備えての、24時間体制を取っています。オンコール体制とは、このような緊急の呼び出しや訪問に備えて待機することです。一般的に、オンコールとは担当の訪問看護師が専用の携帯電話を持ち、利用者さんやご家族からかかってきた電話に応じるという形になります。オンコール体制は訪問看護ステーションによってさまざまですが、1人~2人で体制を整えています。
以下オンコールについて詳しく書いてあるページのリンクを載せておきます。
そして本題のオンコールの大変さについてになりますが、これが病院であれば、夜勤という扱いになり1日以上の労働となり、それなりに対価も貰えますが、訪問看護ステーションのオンコール手当(訪問看護師に支払われる手当)は、これもステーション毎に違いますが夜勤と比べて遥かに安いです。オンコール手当の相場がだいたい2000~4000円で、出動すると1000~2000円のような報酬設定が多いです。
さらには夜勤とは違い、オンコール持った次の日も普通に出勤等全然あります。 オンコールについては以下の記事に詳しく書かれているのでご参考にしてください。
病棟看護師に比べて訪問看護師は本当に大変さやきつさしかないの?
上記だけを見ると病棟看護師に比べ、訪問看護師の職務はかなり過酷のように思えますが、訪問看護師ならではのやりがいや働きやすさ等ももちろんあります。例えば、訪問看護はシフトに融通が利く事業所が多々あり、その為、小さなお子さんがいてフルに働ける環境にない看護師には人気があるなど、他にも多々訪問看護師ならではのやりがいやメリットが沢山あります。
- 患者との距離が近い為、仕事にやりがいや実感が感じられる
- 給与にインセンティブ制を導入している事業所が多い
- 勤務形態(シフト)に融通がききやすい
- 訪問で外出する為、常にリフレッシュされる
- 他事業所との連携が多い為、看護という分野以外にもスキルアップになる