夢のマイホーム。
一生のうち一度あるかないかの大きな決断。長い間住む家だからよく考え、慎重に決めたいもの。何を基準に考えるかによって自分に合った理想の家が見えてくる。マンション、一戸建て、住む人によって魅力を感じる部分は十人十色。
一概に「家」と言っても様々なタイプがあるが、今回はマンションと一戸建てに焦点を当て、比較や調査をしていこう。まずはマンションと一戸建ての大きな違いから見ていく。
一戸建てとマンションの特徴の比較
上記表から、「管理費・修繕費・駐車場代等の毎月負担」の有無が大きな違いと言える。「防犯・防災」「騒音」は、どちらに住むというよりは、建物の構造によっても違ってくるので、一概にどちらがどう違うのかとは明確には言えないところがある。上の表に挙げた項目をもう少し詳しくみてみよう。
防犯・防災
一戸建てでは、防犯カメラを設置したり、センサーライトを設置したりするなどして、防犯対策ができる。近代のITの進化によって、防犯カメラ(室内用)等比較的安価で購入できる。
マンションでは、オートロックシステムや、管理人がいる(いないところもある)、防犯カメラが設置されている等、ある程度のセキュリティシステムは備わっている所が多く、またセキュリティに対する自分自身の労力が少なくて済む。
上記を鑑み、マンション側のセキュリティは第三者の手によって対策がなされるが、一戸建てのセキュリティは、ある程度の防犯機器設置等、自分自身で行えるが、構造上どうしてもマンションより一戸建ての方が外部から人が侵入しやすい傾向にある。
子どもだけで日中留守番させることが多い世帯や頻繁に家を空ける世帯は、防犯面をしっかりサポートできるかがポイントになってくる。
一戸建ての場合、国土交通省「住宅着工統計」によると、2014年の新設住宅着工892,261戸の内、54.9%が木造住宅だそう。対してマンションは建物の構造が鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造。建物が木造であるならば、鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造に比べて、火災や水災に弱いと言える。
地震については、耐震住宅が主流になっており、両者とも震度6強~震度7の揺れに耐えられるとされている。
マンションには「防災倉庫」付きの物件もあり、全住人の数日分の食料や水、簡易トイレなどが収納されているようだ。戸建てについても建てる地域によって、災害が起きやすい場所や地盤などを調べたり、ハザードマップを確認するなどして、防災対策をしっかり行えば不安を軽減することができる。
騒音
生活する上で「音」は欠かせないものである。勿論微笑ましく感じられたりする音もあるが、大半の音が不快に感じられるだろう。
一戸建ての場合、建物自体が独立して造られているので、子どもがどれだけジャンプしようが走ろうが、うるさいのはたいてい自分の家だけだ。周りの生活音もほとんど気にならないだろう。ただ建物の造りにもよるが、大声や楽器の音などは思った以上に聴こえるという声も多い。
同じ建物内で複数世帯が生活するので、どうしても生活音が聞こえてしまうことがある。ただ集合住宅が大前提なので、「耐えがたい騒音」以外の生活音ならある程度許容するべきかもしれない。最近は防音性能の優れたクッションフロアもあり、走ったり歩いたりする音も軽減できる。
管理費・修繕費・駐車場代等の毎月負担
管理費とは、廊下や玄関、エレベーターなど、マンションの共用部分の管理に使われる費用のこと。修繕積立金とは、外壁の塗り替えや配管の交換など、建物の修繕、メンテナンスに充てられる費用のこと。これらはマンションにかかってくる毎月の負担だ。
マンションのように毎月かかるお金は決まっていないが、何も出費がないわけではなく、管理費や修繕費の積み立てが無い分、何かあった場合の修理はすべて自己負担となる。一戸建ての場合、家を長持ちさせるには、だいたい10~15年ぐらいで、屋根や外壁のメンテナンスが必要になってくるという。メンテナンスをする場合、まとまったお金がかかるので、家の修繕費として貯蓄をしたほうが良さそうだ。
保険や共済を活用し、貯蓄にプラスして災害時の補償もつけることもできる。自分の土地・家なので、長持ちさせるのもさせないのも自分次第となる。
住宅ローン返済にプラスしてかかってくる管理費・修繕費・駐車場代等の毎月負担。マンションによっても管理費はそれぞれ違う。基本的に、戸数が多いほど管理費が下がる傾向があるといい、高層マンションは管理費が大きく上がる傾向があるそう。グレードの高い高いマンションは、共用施設が充実しているほか、質のいい管理を提供するため、高くなるという。
毎月の負担はあるが、何かあればすぐ管理会社が対応してくれる。修繕費の積み立てがあるので、メンテナンスも定期的にやってくれる。
大まかな特徴を比較してみたが、建物の構造によってもそれらの特徴が左右されることがわかった。一戸建てを購入しても、マンションの特徴に近づけることもできるし、逆も然りということだ。
では実際人々はどのような家に住んでいるのか。
年代別に見ていこう。
年代別の住まいの割合
グラフを見てみると年齢が上がるにつれ、持ち家率の占める割合が大きくなっていることがわかる。20代以下の持ち家率が「一戸建て」「共同+長屋(※)」を合わせて8%に対し、40代の持ち家率は両者合わせて63%と半数を超えている。
結婚、出産、子育てがひと段落してから…など、購入するタイミングは様々だが、将来的にマイホームを購入する人が多いのは明らかだ。
※グラフ内の「共同+長屋」の共同とは、共同住宅のことで、他の住宅と共用する廊下や階段を有するものをいい、長屋は集合住宅でありながら共用する部分を持たないものをいう。
では次に、マイホームを購入するにあたって重要視されているポイントを見てみよう。
住居を購入するにあたって知っておきたいポイント
マイホームを購入する時期やタイミングは人それぞれ。
購入する人の年代や家族構成によっても重要視されるポイントは違ってくる。
まずは年代別にマイホームを購入する際、知っておきたいこと、重要視されているポイントを見てみよう。
おわりに
マンション、一戸建てそれぞれの特性を理解したうえで、住みたい場所・地域・環境から条件の合う家を探すのがベストかなと筆者は思う。抑えるポイントとして、「治安」・「災害」・「利便性」・「地域性」・「学区」・「将来の事」…等々、住み続けるからこそ知っておくべきことはまだまだたくさんある。
大きな決断に後悔しないよう十分に調べ、考えて、自分に合ったマイホームを手に入れてほしい。
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